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バースト! 人間行動を支配するパターン

         

バースト! 人間行動を支配するパターン

NHK出版で以前、ネットーワーク思考というのが出ていたらしいのだがその著者の続編。
なので、以前のものを読んでいたほうが理解が深まる気がする。
主なテーマは、人間は本当にランダムに行動して、未来を予想できるのかということ。
そのことからの知見は以外で違うものだったというのが本書。

バースト! 人間行動を支配するパターン
バースト!  人間行動を支配するパターンアルバート=ラズロ・バラバシ 青木 薫

NHK出版 2012-07-25
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文章は、ストーリがあって、科学的な話なのに数式はないので読みやすいがちょっと
長めな気がした。
また最終的な決めではなくて解決というよりは、こういう状況だよということで終わって
しまう点もあって、自分の読後感はすっきりはしていない。

題目のバーストとは、行動が、一時的に増えてまたしばらくの感覚をとる性質を指す。

例として本書では
 中世のハンガリー内での十字軍騎士の動き
 ポータルサイトでのニュースの関心度
 アインシュタインの書いた手紙

を上げて、自分のE-mailの作業にもバーストの現象が現れることを示している。
つまり、完全なランダムではないということから、数式で表せることを描いているのだ。

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「ポアソンの計算は陪審制度の改善には至らなかったとしても、いまもなお甚大な影響
力を持っている。確かに人間の行動はその人をしらない人からすればランダムにしか見
えないだろう。
私はあなたがふだん何時に起きるのか知らないし、いつ次のEメールを送る予定なのか、
今度いつ電話をかけるのかも、いつセックスするのかも、いつインフルエンザにかかるの
かも知らない。それでもこうした各個人の行動の集積が保険会社や電話事業者や病院
やレストランチェーンやカスタマーサービスセンターや株屋に影響を及ぼしている。そして
科学者や技術者は人がどう行動するのかがよくわからないとき、つねにポアソンに助け
を求めるのである。」

どういう種類の人間行動を調べてみてもつねにバーストのパラーンがあらわれた。長い
休止期間のあとに短い集中的な活動期間が続く。
中略
私たちは、人間行動と結びついた何かーを目撃していたのである。人間がランダムに
行動しないこと自体はさして驚くことではなかった。自分が偶然に支配されているとは
誰だって思っていないからだ。人間はみな自由意思を持っていて、それがあらゆる行
動をー電子メール送信も、文書印刷も、ウェブ閲覧もー複雑にしている。だが何をする
にせよ、われわれは無意識に同じ法則、べき法則にしたがっていたのである。
簡単なことのようだが、じつはこれが驚くべきことなのだ。


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あらためて思うのは、人間も進化をへて、過去の経験というか脳裏に刻まれた何かは
すぐには変わらないのであるというのを思い起こさせる。
新たな知見として面白かった。

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2013年09月21日 22:57に投稿されたエントリーのページです。

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