非情の常時リストラ
常時リストラとは、常に誰かがターゲットとされ、小規模なリストラが常態化する時代に突入
しているのだ。と著者はみてこの点に関して記載したものである。
非情の常時リストラ (文春新書 916) | |
溝上 憲文 文藝春秋 2013-05-20 売り上げランキング : 213724 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「これまでの巣材で人事部とその会社の社員との認識の落差に度々驚かされてきた 中略
どんな大手企業であっても経営危機に陥ることもあれば、合併したりする可能性がある。何が
起きるかわからない時代だと、サラリーマンなら承知のはずである」
と幕をあける本書は、著者の取材を通じて語られる日本にある外資・大企業の今を描くもの
である。
そこで、現状のリストラ試作とその背景を描きながら、社員の選別について、解雇規制などの
経済的な事情などが、描かれる。当然取材対象など大手が中心にはなるが、その選択理由
などは、両面からかかれていて単なるリスト秘話だけでない点と、新書ならではの最新事情
とが合わさってわかりやすいだろう。
タイトル
第1章 「常時リストラ」時代に突入
第2章 学歴はどこまで有効か
第3章 富裕社員と貧困社員
第4章 選別される社員
第5章 解雇規制緩和への流れ
正直なところ学歴に話は、大企業寄りすぎてどうかと思うが、これが企業採用の実態なの
だろう。後半は、人事基準の話になり、リストラとはちょっと話がずれていく。労働組合の話
がでてくるが、そもそもこれも限られた話のような気がするので、疑問を持ちながら人事は
こういう風にとらえているという世界観を持って読むことが必要かもしれないと感じられた。
気になったポイントから
たとえ上長であっても人事や、労務のプロではない。長年使えてきた部下をリストラするの
はつらい。やり方を間違えれば本人が激高し、収拾がつかなくなる可能性もある。多くの
企業は確実に目的を遂行するために面談担当者を集めて事前研修を実施するようにしている。
もとより終身雇用は法律に基づく制度ではなく慣行である。
グローバル人材についての多様性の定義があるが、実際に求めているのはこれだとしても
なかなか中小まではなく広がっていないのが現実だろう
まとめ。
「会社がなにかを与えてくれる時代は終焉を迎えている。自分の人生を切り開くのは会社
でもなければ経営者でもない。何かを実現したい、何かになりたいと思う自分しかいない。
その覚悟を持つことがいま最ももとめられているのだ。」
改めて会社とは、サラリーマンとはを考えるのに。
タイトルは新書だけあって売れるコピーなんだろうとストレートだが、内容はもっと人事全般
よりだ。決断は常に迫られているんだなぁと改めて感じた。