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三重スパイ――CIAを震撼させたアルカイダの「モグラ」

         

三重スパイ
CIAを震撼させたアルカイダの「モグラ」

三重スパイ――CIAを震撼させたアルカイダの「モグラ」
三重スパイ――CIAを震撼させたアルカイダの「モグラ」ジョビー・ウォリック 黒原 敏行

太田出版 2012-11-22
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原題は The al-Qaeda mole who infiltrated th CIA となっており、CIAのスパイとあるが、実際には本書にあるけどちょっと違うようだ。

         


たいていの書籍の冒頭は、かなり重い言葉がかかれるが、今回ほど適切なものはないだろう。
兵とは詭道なり -孫子-

冒頭から、クライマックスのシーンが描かれる。このシーンに逆にカウントダウンしていく
倒叙型の話の展開で本書は進められる。

現在の戦闘は、無人機による標的の制圧という形になっているというが、ここまで来て
いるのかと思わされ、今までの戦争の考え方が変わるように思えた。
CIAも政治で動いているし、アメリカが世界の中心だということは分かっているけど、ここ
まで現実を描くのは、情報がオープンであるからかもしれない。そういう意味で本書は、
イラク戦争以降の現代の戦争を描く記録なのだ。

「情報提供者を使うケース・オフィサーは今でも必要だが、9・11以降は主役ではない」

「ここにパネッタ長官のジレンマがあった。CIAのミサイルは標的を片付けていくが、それ
だけでは十分ではない司令官が殺されればまた代わりが現われる。しばしば前の者よ
り若く、さらに過激な思想をもち、世界に打って出る野心を燃やす司令官が」

など、
本書の中で、自分が引かれたのは2点

 ●功を焦るあまり、情報を過信しすぎるということ

 ●おかしいと思いつつ、切り出せない。アイヒマン実験のような状況

だ。CIAと言えば、情報分析の最高部門であると思うが、それでも判断を過信してしまうという
ことの可能性があるということ。アメリカの軍事基地の内部というのはもはや、想像する軍事
基地を超ているようで安心感などのものから来ているのかもしれない。

自分は、民間軍事会社の必要性がいまいち理解できていなかったが、本書では知識が無く
てもわかりやすく書かれている。ふと思ったのが、派遣社員のような位置づけになるのかも
しれない。、契約と引き換えでCIAの特殊部門を警備する立場の人々が描かれているが、
ここでも疑問に思ったとしても指示に反旗を返すというのは非常に難しいことなのだと実感
させられる。

ターゲッターと呼ばれる職種や、CIAこそが予防戦争の最後の砦ともいうべき論争はさて
おき、無関係に内容に引き込まれるように読めた。

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2013年04月14日 12:31に投稿されたエントリーのページです。

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