スタンフォードの自分を変える教室 | |
ケリー・マクゴニガル 神崎 朗子 大和書房 2012-10-20 売り上げランキング : 5 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
自分を変えるとは、意志決定力における選択方法と、その対処方法に関しての内容である。
もとは、今や多くの聴講生をターゲットにした教室の講義をベースに、著者が書籍向けに変更
して編集したものだそうである。
また書籍向けに追記などもあるそうで教室から生まれた内容とといったところになるそう。
第1章 やる力、やらない力、望む力
第2章 意志力の本能
第3章 つかれていると抵抗できない
第4章 罪のライセンス
第5章 脳が大きなウソをつく
第6章 どうにでもなれ
第7章 将来を売り飛ばす
第8章 感染した!
第9章 この章は読まないで
第10章 おわりに
いろいろな最新心理学ワードを著者なりの解説を加えて、わかりやすく説明されているが、行動経済学などの
書籍を読んでいると、あれなんか読んだような気がしてくるも多いので、デジャブ感は否めなかった。
あまりこのあたりの分野を触れていなければ非常にわかりやすくて最初の本にいいと思う。
それぞれの副題を記載し、章の内容をまとめる。
第1章 潜在能力を引き出す3つの力
本書で繰り返されるが、なぜそれを選択したのかをその瞬間を振り返る重要性を説いておりこれは、
何の事でも決めたという効果は計り知れないだろう。
瞑想のパワーによる効果がでており、5分でもそこに意識を向けるだけで効果が出てくるそうだ。
第2章 あなたの体はチーズケーキを拒むようにできている
心拍変動による意志の強さなど、表面的な現れる兆候をベースに改善するためには、呼吸による制御を
解説している。
一呼吸おいて考えるということの重要性がよくわかる。
運動(エクソサイズ)の重要性と、何なら始められますか? の問いを考えされられる。
第3章 自制心が筋肉に似ている理由
鍛えられることを解説した上で、以下にコントロールしていくかの具体的な解説が始まる。ダイエットして
いる人には厳しいのかもしれないが、甘いものによるコントロールの回復があるそうだ。
チョコレートなどはいいかもしれない。(ナッツもよさそう)ただ使用するエネルギーに対して効率が
悪いみたいだけど。
第4章 よいことをすると悪いことをしたくなる
面白いのだけど、いいことをすると、免罪符として考えてしまう現象があるそうだ。本書ではモラルライセンシングと
して解説しているが確かに手を当ててて考えれば、これをしたからいいよねとか考えがちだ。
オーガニック、天然100%とか面白い実例であふれている。
ルールを破らないためにルールを書かないなど、考えれば混乱してきそうだ。。。
第5章 要求を幸せと勘違いする理由
快感の予感という、ドーパミンの解説がここで出てくるが、ラットの実験結果からも明らかだけど、この予感という
やつが曲者で得られようとするまで続くという。見極めるって能力が必要だなぁ。
ちなみに知らなかったけど、ゲームのやりすぎでなくなった方がいるそうだ。これはすごい時代になったな。
第6章 気分の落ち込みが挫折につながる
タバコの警告表示が逆にあおっているの話が出てくるが、ニュースなどの危機情報でもそうだけど危機に瀕すると
認知するだけで、衝動がつきやすくなるそうだ。
意志と反対に躓いてしまったときの回復方法だが、慰めるという行為が効果があるそうでこれは取り入れたほうが
いいだろう。
第7章 気軽な快楽の経済学
10分ルールが効果があるそうだ。単純にそれを待つだけでも、現在の効果を打ち消して考え直させる力がある
そう。確かに、決断する時はかなり今しか見えてないことが多いのではないだろうか。
第8章 意志力はうつる
肥満感染を例に、確かに見慣れてくると、集団との自分が逸脱ができなくなりそうなるというのは納得できる
だろう。
人間の基本的な共有意識が邪魔をするのそうだ。
第9章 やらない力の限界
コントロールしようとして逆に失敗する例から、禁じさせることではなく、実行する習慣から変えるという
力を感じさせられた。それを食べたいんだーとか思ったことを受け入れることで、実際の制御をとめるという。まさに許容の考え方の強さを感じられる
第10章 自分自身をじっと見つめる
ここは読んでのお楽しみとして。
本書は、厚めのハードカバーだけど、行間や文字も大きめに作られているため、非常に読みやすいだろう。章が
独立をかなりしているので、それぞれを、好きな時に読むだけでも自分の内省材料にもなりうる本だと思う。
自己コントロールがなかなかなぁと思った時には読み直してみたい。