ホールシステム・アプローチ
ホールシステム・アプローチとは、
「できるだけ多くの関係者が集まって自分たちの課題や目指したい未来などについて
話し合う大規模会話の手法の総称」
本書は、この中で近年の4手法についてのべて解説している。
ホールシステム・アプローチ―1000人以上でもとことん話し合える方法 | |
香取 一昭 大川 恒 日本経済新聞出版社 2011-09-22 売り上げランキング : 19828 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
そもそも共通する点は多いが
○ダイアログ(対話)がベースになっている。
○会議を通じて知識を生み出す
○関係者をできるだけ幅広く参加させようとする
○自主性、自律性を促そうとする。
○ポジティブ発想である。
○全体脳を動員する。(右脳、左脳総称して全体脳)
が上げられよう。そのため、一般的な会議とは異なり、(著者の書籍にも
あるが)決めない会議の手法でもあり、トップダウンでの問題解決とは
異なる。そのため、前提条件が必要になるが、一般に会議の方向性とは
異なるので、最初はとまどうだろう。
当然だが、安全な場づくり、ダイアログとディスカッションの違いなど
なるほどなぁと思わせる内容が記載されている。
さて、その手法は4つあると記載したが、以下に、4つとそれぞれの特徴と
合わせて書かれてた内容を記載する。
ワールドカフェ
参加者のアイディアをつなぎ、集合知を生み出す。
AI(アプリシエイティインクワイアリー)
ストーリーティングで組織と個人の強みを発見する。
ありのままを肯定的に受け入れて未来の可能性を探求する。
フューチャー・サーチ
すべての利害関係者を集めて行動計画をつくる。
オープンスペーステクノロジー
自律的なプロセスが参加しの情熱と責任を引き出す
これらを組み合わせて、新たな問題解決を行うと言うことの重要性を大きく語って
くれる。(事例などでも記載されている)
私見
本書にある、毎日をワールドカフェにという発想は、確かに近年のオフィス
設計を見ても明らかである。
現状の問題解決手法での手詰まりからこういった解決手法への拡大は歓迎すべき
内容だと改めて考えられた。
今まで、知見としてしられていた会議(社員研修と称した会議など)を、あらた
めてこういった枠に当てはめてうまくいく方法を出していくことは、なんだか
欧米的な発想で面白いなぁと思えた。こういった事例規範をどんどん広げていく
知見も重要だろう。
規模が増えてきて、前とは違うなぁ、なんか一体感がないなと思ったときにこう
いったプロセスを利用するのは有益になると感じられる書籍だった。